プログラマーやSEになりたいと思ったとき、無料プログラミングスクールに入学しようと考えている方は多いでしょう。
確かに「無料でプログラミングを学ぶことができる」というのは、魅力的ですよね。
ネットを見ていると「おすすめ無料プログラミングスクール5選!」などとよく紹介されています。
しかしちょっと待ってください。
これらのサイトでは、最も重要な「無料プログラミングスクールの裏側」と「引き換え条件」について、詳しく説明されていないことがほとんどです。
ここを見落としてしまうと、「ブラック企業で働かされる」という事態に陥ってしまう危険性があります。
今回は、「無料プログラミングスクールの裏側」とその「引き換え条件」について説明していますので、ぜひご参考にしてください。
「無料プログラミングスクールの裏側」と「引き換え条件」比較
- 無料プログラミングスクールのメリット
- 無料プログラミングスクールのデメリット
無料でプログラミングが学べる
就職先を紹介してもらえる
指定の就職先に入社しないと有料になる場合がある
スクールのレベルが低いことがある
無料プログラミングスクールとは
無料プログラミングスクールとは、その名の通り無料でプログラミングを教えてくれる学校のことです。
実際に教室に通学することもあれば、オンラインで受講できるケースもあります。
さらにこれらスクールでは、カリキュラム修了後に就職先まで紹介してくれるというサポート体制も整っています。
こうしてみると、一見素晴らしいシステムに思えてきますが、そこには裏側があり落とし穴が隠れているので注意が必要となります。
無料プログラミングスクールの裏側
「なぜ無料でプログラミングスクールを運営できるのか」について、不思議に思ったことはありませんか。
スクールを運営するには、人件費・管理費などそれなりのお金が必要です。
しかしスクールの生徒から学費をもらっていないのですから、本来は赤字になるはずです。
ところが現実には、たくさんの無料プログラミングスクールが存在して、赤字を出すことなくしっかりと運営されています。
不思議ですね。
ではそのお金の出どころはどこなのかというと、それは「生徒を紹介する就職先の企業」になっています。
紹介手数料で運営している
プログラミングを学んだ生徒を指定の就職先に斡旋することで、紹介手数料をゲットしているのですね。
一見すると手厚いサービスに見える就職先の紹介が、スクール側にとっては大きな収入源となっていたのです。
まあこの紹介システム自体は、別に特段悪いことだと私は思っていません。
転職活動に欠かせない転職エージェントも、同じく紹介手数料を収入源にしていますからね。
実際にこの無料プログラミングスクールの運営元が、転職エージェントであることも多いです。
問題は、
「この就職先企業の紹介斡旋が無料の引き換え条件になっていること」
です。
しっかりとその裏側を認識しておきましょう
タダより怖いものはないという言葉はよく聞きますよね。
無料のサービスは、その裏側に何らかの意図があるということを覚えておく必要があります。
例えばスーパーの試食品コーナーも、タダで試食品を配って商品を購入してもらおうという意図があります。
まあ試食品なら問題ないですが、物事の裏側をしっかりと知っておかないと、詐欺的な商法に騙されてしまう危険性があるので注意が必要です。
今回の無料プログラミングスクールに関して言えば、
「就職先の紹介は決して善意で行っているわけではないんだよ!」
ということをしっかりと覚えておいてくださいね。
引き換え条件をチェックしておく
無料プログラミングスクールでは、スクール費用が無料になるための引き換え条件が設定されていることがほとんどです。
この引き換え条件を満たさないと、スクール費用を後ほど支払わなければならないことになってしまいます。
言ってみれば、無料だったはずが有料のプログラミングスクールに変化してしまうのですね。
無料プログラミングスクールを受講する前には、必ずこの引き換え条件をチェックしておく必要があります。
ではどのような点をチェックすればいいのでしょうか。
無料プログラミングスクールを受講する前のチェックポイント
- 必ず指定の就職斡旋先に就職しなければいけないかどうか
- 就職期間の縛りがないかどうか
必ず指定の就職斡旋先に就職しなければいけないかどうか
無料プログラミングスクールは、基本的にカリキュラム修了後に指定の斡旋された企業に就職する必要があります。
「自分自身で就職先は探します」
というわけにはいかないのですね。
まあ無料でプログラミングを教えてもらったのですから、これ自体は仕方のないことなのかもしれません。
就職斡旋もすべてが悪というわけではなく、使い方次第によっては善にもなります。
就職斡旋を活用する
これら裏側をすべて理解したうえで、就職斡旋を活用してしまえばいいのですね。
無料プログラミングスクールを利用する方の多くは、プログラミング未経験の方でしょう。
プログラマーやSEとしての技術を身に付けたいのなら、まずは実地で経験を積むことが必要になります。
斡旋された就職先が、しっかりとプログラマーやSEとしての技術向上を望める職場ならば、それはとても望ましいことです。
就職斡旋を活用して、自分のスキルアップに役立ててしまいましょう。
無料プログラミングスクールを選ぶときは、スクールの裏側を理解した上で、それを活用するといいですね。
ただ、SES派遣を行う人売りIT企業に就職することは避けてください。
しっかりとプログラミングスキルをアップできる企業に就職しましょう。
就職期間の縛りがないかどうか
無料プログラミングスクールによっては、「就職先で最低3か月間は働き続けること」といった縛りが設定されていることがあります。
これは正直ひどい話ですよね。
もしブラック企業に斡旋されてしまった場合、3か月間は地獄のような日々が続く可能性があるということです。
携帯電話じゃないんですから、こんな就職期間の縛りがあるスクールは避けたほうがいいです。
無料プログラミングスクールを選ぶときは、就職期間の縛りがないスクールを選びましょう。
奴隷契約を結ばされないように注意してくださいね。
無料プログラミングスクールの質もチェックしましょう
もちろんスクールの質も大事
無料のプログラミングスクールだからといって、授業の質が悪ければ何の意味もありません。
なかにはタイピングから教えているようなスクールや、ちょっとカリキュラムが古いスクールも存在しています。
PHP/Java/Rubyなど、自分が学びたいプログラム言語をしっかりと教えてくれるかどうかを、きちんと調べておく必要もありますね。
チェックしておきたい授業内容としては、
- 教えてくれるプログラム言語は何か?
- 授業形式はどうなっているか?
- 講師はどんな人か?
この3点については、必ずチェックしておきましょう。
教えてくれるプログラム言語は何か?
プログラマーやSEとして仕事をするのなら、何らかのプログラム言語を勉強する必要があります。
無難なところでは、PHPかJavaを習得するということになるでしょうか。
自分がどんなプログラマーになりたいかによって、学ぶべきプログラム言語も違ってきますよね。
「アプリを開発したい」、「ネットワークエンジニアになりたい」など、しっかりと自分の理想や未来像を描いておきましょう。
授業形式はどうなっているか?
授業形式も非常に大事です。
通学かオンラインか
まずは、通学かオンラインかのどちらの環境で学んでいくかを決める必要があります。
私はやはり、通学してプログラムを学んでいくほうがいいと考えています。
オンラインでも学べないわけではありませんが、かなりの覚悟が必要となるでしょう。
しかし無料プログラミングスクールの多くは、東京にあります。
東京のほかでも、大阪や名古屋・福岡・札幌などの大都市にあることがほとんどです。
場所的な問題でオンラインでの授業形式を選ばざる得ないこともあるでしょう。
もしオンラインで学ぶのなら、相当な覚悟をもって取り組んでいく必要がありそうです。
個別指導か授業形式か
通学の場合、個別指導か授業形式かどちらの環境で学んでいくかも重要になります。
やはり理想は個別指導になりますよね。
もし授業形式の場合は、しっかりと講師にわからないところを質問できるかどうかを無料体験でチェックしておきましょう。
講師はどんな人か?
講師の質についてもチェックしておく必要があります。
できれば、現役のプログラマーが講師を務めているスクールがいいですよね。
無料プログラミングスクールの中には、あまり講師の質が高くないこともあるので注意が必要です。
無料説明会や無料体験に参加してみよう
プログラミングスクールに入る前には、必ず無料説明会や無料体験に参加しましょう。
実際に自分で体験してみないと、わからないことは多いです。
これは有料・無料にかかわらず、プログラミングスクールへの入学前には必ず参加してください。
できれば、プログラミングが実際にできる無料体験に参加しましょう。
無料体験に参加して、疑問点があればしっかりと質問をしておくことが必要になりますね。
プログラマー・SEの世界についても知っておこう
無料プログラミングスクールに入学するということは、プログラマーやSEとして就職をするということです。
有料のスクールならば、「やっぱりプログラマーになるのはやめておこう」ということもできます。
しかし無料のプログラミングスクールは、卒業後に紹介された企業で働くことが引き換え条件となっているので、「やっぱりやめた」というわけにはいきません。
しっかりとその覚悟をもって、入学してください。
SESの人売りIT企業に注意が必要
無料プログラミングスクールを卒業したあとに紹介された企業で、SE(システムエンジニア)として働くケースも多くなるでしょう。
プログラマーではなくSEとして採用されるということですね。
「まあSEでもいいか」と軽い気持ちでSEとして就職すると、痛い目に合うかもしれません。
これはSEが悪いというわけではなく、SEになるとSES契約で働かされる可能性があるということです。
SES契約とは?
SES契約とは、システム・エンジニアリング・サービスの略になります。
ちょっと難しいですね。
簡単に説明すると、お客さんの会社に派遣されて、そこでSEとしての仕事を行うことです。
これは、客先常駐SEと呼ばれる形態になります。
客先(派遣先)で常駐して働くSEということですね。
まあ本当は派遣ではなく準委任契約なのですが、実際にしていることは派遣と変わりません。
このSES契約は、人売りIT派遣と呼ばれるほど悪名高いシステムになっています。
常駐開発を行っているIT企業は全部ブラック企業です。
全部です。これは断言しておきます。
SESというものは基本的にピンハネ屋です。ピンハネすることがSES企業の生業です。
SES企業が行っていることは、派遣先で指揮命令を受ける実質的な派遣事業であるにも関わらず、この派遣法を完全無視して節度のないピンハネを展開しているというのが実態となります。
すごいですね。SESをしている会社はすべてブラック企業だそうです。
このようなピンハネが、SEの世界では普通に行われているのが実態です。
しかもSESで派遣された客先常駐先での仕事がテスターや保守管理だと、技術を身に付けることができないので、いつまでたってもスキルアップは望めません。
プログラマーやSEとして就職するときは、SESとして働くことは正直お勧めできません。
無料プログラミングスクールで紹介された企業が、SES派遣を行っていないかどうかをしっかりとチェックしたうえで就職してくださいね。
まとめ
無料プログラミングスクールは、メリットとデメリットの両面があります。
- 無料プログラミングスクールのメリット
- 無料プログラミングスクールのデメリット
無料でプログラミングが学べる
就職先を紹介してもらえる
指定の就職先に入社しないと有料になる場合がある
スクールのレベルが低いことがある
無料である理由は、生徒に就職先を斡旋することによりスクール側は手数料収入を得られるからです。
ほとんどの無料スクールでは、指定の紹介先企業に就職する義務があります。
- 必ず指定の就職斡旋先に就職しなければいけないかどうか
- 就職期間の縛りがないかどうか
この2点をしっかりとチェックして、もし「3ヶ月は就職先企業を辞めることはできない」という縛りがあるときは、そんな無料プログラミングスクールを利用することは避けましょう。
また就職先を決めるときには、SES派遣(客先常駐派遣)を行っている会社は、ブラック企業の可能性が高いので避けることをおすすめします。
無料プログラミングスクールは、使い方によっては無料でプログラミングを学べる価値のあるものです。
その仕組み・裏側をしっかりと知ったうえで、活用してくださいね。