「うつ病で働けなくなった。生活費をどうしよう・・・」
ブラック企業で働いていると、過酷なノルマや残業、上司のパワハラで、うつ病など精神的な病気になってしまうことがあります。
うつ病になると、はっきり言って働けないです。
しかし働くことができないと、収入がなくなって生活できなくなってしまう不安がありますよね。
今回は、うつ病で働けないときの収入源についてお伝えしていきたいと思います。
うつ病で働けないときの収入源!生活費はこれで補おう
- 有給休暇
- 傷病手当金
- 労災認定
- 失業保険
- 障害年金
- 求職者支援制度
- 生活保護
うつ病で働けなくなって生活費が足りないからといって、消費者金融や闇金で借金をすることはやめてください。
借金をしなくとも、日本ではいろいろなセーフティーネットが用意されています。
まずは国が用意しているセーフティーネットを利用してください。
有給休暇
今現在、うつ病を抱えながらまだ働いており、会社を退職していないなら有給休暇をまずは利用しましょう。
有給という名前の通り、給与をもらいながら休むことができます。
ブラック企業で働いていたなら、有給休暇をあまり消化していないのではないでしょうか。
有給休暇は、労働基準法で定められた労働者のれっきとした権利です。
まずはこの有給休暇を利用して、自分の心と体を休ませて上げてください。
法律で認められた有給休暇の日数
労働基準法では、有給休暇の日数がその継続勤務の期間によってしっかりと定められています。
入社日から起算して経過した勤務の期間によって、規定された有給休暇の日数が発生します。
- 6ヶ月間「10日」
- 1年6ヶ月「11日」
- 2年6ヶ月「12日」
- 3年6ヶ月「14日」
- 4年6ヶ月「16日」
- 5年6ヶ月「18日」
- 6年6ヶ月「20日」
6年6か月目以降は、毎年20日の有給休暇が付与されます。
出勤率8割といった条件を満たしていれば、上記の日数の有給休暇が利用できます。
労働者に与えられた権利なので、まずは有給休暇を利用しましょう。
傷病手当金
傷病手当金は、病気やけがで就労できなくなった時に、健康保険などから療養中の生活保障として毎月金銭が給付される制度です。
傷病手当金を得られる条件は、
- 1.業務外の事由による傷病であること。
- 2.療養中であること。
- 3.労務に服することができないこと。
- 4.休業期間が3日間を超えるとき。
となっています。
傷病手当金は、申請から1ヶ月程度で受給できる上に、給与の2/3の額が支給されます。
さらに支給開始日から1年6ヶ月の間に渡り受給できるので、ぜひ利用したい制度です。
もちろん「うつ病」でも使うことができるので、利用してください。
労災認定
ブラック企業で勤務していて、過酷な残業やパワハラを受けてうつ病になった方は、労災認定が認められる可能性があります。
厚生労働省発表の「脳、心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況について」によると、うつ病で労災認定が認められる確率は約40%ほどとなっています。
これを高いとみるか低いとみるかは微妙なところですが、過酷な残業やパワハラを証明できれば十分に労災が認められる可能性があります。
労災が認定されると、休業補償給付として約8割の給与が支給されますし、うつ病を治すための治療費が無料になるメリットがあります。
また労災の休業補償給付は、病気が治るまで支給されるので、ゆっくりしっかりとうつ病を治すこともできます。
認定のハードルは傷病手当金よりも高くなりますが、過酷な残業やパワハラでうつ病になってしまったときは、労災認定も考えてください。
失業保険
有給休暇・傷病手当金・労災認定は、会社を退職しなくとも利用できる制度です。
それに対して失業保険は、会社を辞めた後に利用できる制度になりますね。
うつ病で会社を辞めた時には、失業保険を受給することができます。
もちろん会社を辞めた後でも、労災認定や傷病手当金の受給条件を満たしていれば、これらの手当を受給することができます。
しかし労災認定や傷病手当金の受給条件を満たしていない場合は、失業保険を生活のための収入源とするといいですね。
就労意志が必要
ただ注意したい点は、失業保険は就労意志(働く意志)のある人が受給できる制度であるということです。
失業保険の受給条件
ハローワークのホームーページによると失業保険の受給条件は、
- 病気やけがのため、すぐには就職できないとき
- 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
- 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
- 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
となっています。
うつ病で仕事を辞めた時は、「病気やけがのため、すぐには就職できないとき」に該当するので、基本的には受給条件を満たしています。
ただ、うつ病で全く就労することが不可能な就労不能状態ときは、受給条件を満たしていないので注意が必要です。
まあこの就労不能状態かどうかは、本人に就労意志があるかどうかという内心の話なので、心の中で就労意志さえ持っていれば受給条件を満たすことができます。
あまり難しく考えずに、心の中で就労意志を持ったうえで、まずは失業保険の受給申請をしてください。
求職活動実績を作るのは難しくない
失業保険を受給し続けるには、求職活動実績が必要となります。
就労意志を証明するために、何らかの求職活動をしているという実績が必須事項なのですね。
求職活動実績は、ハローワークで職業相談をしたり、リクナビNEXTなどの転職サイトで求人に応募したりすることで認定されます。
特に転職サイトでの応募は、自宅で簡単に求職活動実績を作ることができるのでおすすめです。
求職活動実績のついでといっては何ですが、いろいろな企業研究も同時にしてくださいね。
うつ病の診断書を提出すればすぐに失業保険をもらうことも可能
実は失業保険には、給付制限期間というものが設定されています。
自己都合退職の場合、約3か月間の給付制限期間が設定されているので、申請後すぐに失業保険を受給できるわけではありません。
一般的にうつ病で会社を辞めた時は、自己都合退職なのですぐに失業保険をもらうことができないのですね。
しかし、ここで裏ワザ的な方法があります。
うつ病の診断書を失業保険の受給申請時に提出すれば、「特定受給資格者」に分類され、すぐに失業保険を受給することが可能になります。
3ヶ月間受給を待たなくてもよくなるのですね。
通院しているメンタルクリニックや心療内科で担当医に診断書の発行を依頼すると、診断書を入手できます。
診断書を失業保険申請時に提出して、給付制限期間なく失業保険を受給してくださいね。
障害年金
ちょっとハードルが高くなってしまいますが、うつ病でも障害年金を受給できることがあります。
障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。
会社員として働いていてうつ病になった時は、「障害厚生年金」により障害年金を受け取ることができます。
障害年金の受給条件としては、
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
などがあります。
ちょっとハードルが高く申請も複雑なところがあるので、詳しくは日本年金機構のホームページで確認してください。
求職者支援制度
求職者支援制度とは、雇用保険を受給できない求職者の方が職業訓練によるスキルアップを通じて早期の就職を目指すための制度です。
職業訓練という言葉を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
職業訓練は、無料でスキルを学ぶことのできる非常にお得な制度です。
しかも職業訓練中は、一定の条件を満たせば毎月最大10万円の職業訓練受講給付金を受け取ることも可能です。
求職者支援制度の受給条件としては、
- ハローワークに求職の申込みをしていること
- 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
- 労働の意思と能力があること
- 就職のために職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
などがあります。
失業保険の受給期間が終了した後は「雇用保険を受給できない求職者」に該当するので、求職者支援制度を利用することができます。
新たな職種や業種に就職したいというときは、職業訓練を受けてみるといいのではないでしょうか。
生活保護
うつ病で働けないときの最終手段の収入源として、生活保護があります。
生活保護は、かなり厳しい受給条件があります。
- 預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充てる必要がある。
- 働くことが可能な方は、その能力に応じて働く必要がある。
- 年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合は、まずそれらを活用する必要がある。
- 親族等から援助を受けることができる場合は、援助を受ける必要がある。
以上のように、簡単に生活保護を受給することはできません。
うつ病で働けないときの収入源としては、傷病手当金・労災認定・失業保険などをまずは優先的に考えましょう。
それらを考えた上の最終手段として、生活保護を収入源とするといいですね。
職場環境を替えればうつ病が改善することも多い
うつ病になってしまった原因として、過酷な残業やパワハラだという方は多いのではないでしょうか。
ブラックな社風が原因でうつ病になってしまった場合、休職をしても復帰したとたんに、またうつ病になってしまうこともよくあります。
ブラック企業の体質が変わらない限り、在職中にうつ病は改善しないということです。
そんな時は、思い切って職場環境を替えるというのも一つの方法になります。
簡単に言えば、転職をするということですね。
休職中に転職活動をすることも可能
うつ病になって、会社を休職することはよくあります。
いきなり退職するのではなく、まずは休職している状態ですね。
その休職中に転職活動をして、新たな職場を探すことも可能です。
「えっ、休職中に転職活動をしてもいいの?」と感じる方もいるかもしれません。
休職中の転職活動は、違法ではないので特に問題はありません。
特にブラック企業が原因でうつ病になってしまったときなどは、会社に遠慮する必要も全くないですよね。
休職中に内定まで考えなくとも、まずは転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。
転職活動をすることで気分が楽になり、うつ病が改善することもあります。
まずはスマホを利用して、リクナビNEXTなどの転職サイトを活用することから始めてくださいね。
うつ病になった時点で転職を考える
ブラック企業体質が原因でうつ病になってしまった場合、その時点で転職を考えて動き出したほうが賢明なのかもしれません。
ブラック企業で働き続けても、心身が疲弊するばかりで将来が見えませんよね。
それならば、いっそできるだけ早く転職活動を始めたほうがいいです。
在職中に転職活動をすることは、全く問題がありません。
うつ病になってしまった時、またはこのままではうつ病になってしまうと感じた時は、転職活動を始めましょう。
今は転職市場の有効求人倍率が非常に高くなっており、転職しやすい時期でもあります。
ブラック企業を抜け出して、ホワイト企業に転職することも十分に可能です。
うつ病とは無縁のホワイト企業で、新たな人生を歩みましょう。