バックグラウンドチェックという言葉をご存知ですか。
バックグラウンドチェックは、採用調査や身上調査とも呼ばれていますね。
外資企業では、このバックグラウンドチェックが実施されることが多く、調査によって内定取り消しや不採用になるケースも珍しくありません。
ではどんなケースで、内定取り消しや不採用になってしまうのでしょうか。
バックグラウンドチェックで転職が内定取り消し・不採用になるケース
すべての企業で転職の採用の可否の決定前に、バックグラウンドチェックを実施ししているわけではありません。
必ずバックグラウンドチェックが行われるわけではありませんので、ご安心ください。
バックグラウンドチェックがよく実施される業界
ただ調査がよく実施される業界というものがあります。
外資企業に転職する場合は、ほぼバックグラウンドチェックが実施されると考えてください。
そのほかにも、金融機関や警備会社などへの転職でも実施される可能性が高いです。
- 外資企業
- 金融機関
- 警備会社
これらの企業や業界では、高い信用が要求されます。
そのために採用予定者を、バックグランドチェックで調べるのですね。
バックグラウンドチェックで調査される項目
バックグラウンドチェックを企業側の視点から考えてみましょう。
企業としては、信頼のおけない社員・会社に悪影響を及ぼす社員を採用することは避けたいです。
そのために、採用予定者の過去を調べるのですね。
調査される項目としては、
- 犯罪歴
- 経歴詐称
- 自己破産歴
が主に調査されます。
それぞれをもう少し具体的に見ていきましょう。
犯罪歴
犯罪歴があると、バックグラウンドチェックで内定取り消し・不採用になる可能性が高いです。
調査されてしまうと、ほぼアウトと考えなくてはいけません。
ただ、犯罪歴を一般の企業が完全にチェックできるかというと、これは意外と難しいものです。
警察ならばすぐに犯罪歴を把握できますが、今は個人情報が保護される時代なので、調査が難しいのも正直なところです。
犯罪歴がばれるケース
インターネット上に名前が公開されるような犯罪を犯した場合は、簡単に前科はばれてしまいます。
またバックグラウンドチェックを行う調査会社は、その採用予定者の周囲の人たちに聞き込みをして、犯罪歴などのチェックをします。
これは昔ながらの方法ですが、この聞き込み調査をされてしまうと、かなりの確率で犯罪歴がばれてしまいます。
犯罪歴を隠して面接に臨む方がいますが、バックグラウンドチェックをされることで、ばれてしまう可能性が高いということです。
交通違反程度ならばれない可能性もありますが、前科がつくような犯罪履歴があれば、ばれてしまうと考えたほうがいいでしょう。
経歴詐称
前職や、それまでに働いていた会社などの経歴詐称も、バックグラウンドチェックで調査されます。
実施方法は、前職などの上司・同僚などから聞き取り調査をするという方法が一般的です。
前職以外も調査される?
基本的に、前職の経歴については間違いなくチェックされるでしょう。
これまでに複数回の転職をしている場合、それ以外の前々職、前々前職などは、会社によって違いがあります。
調査する側も、すべての経歴をチェックするのは費用や手間の面で難しいです。
面接の言動などで何らかの不審点がない限り、前々職や前々前職まで調査するケースは、日本では少ないです。
だからといって、前職以外を経歴詐称することもリスクが大きいので、やめておいてくださいね。
自己破産歴
多額の借金があるなど、お金の管理ができない人物を企業は好みません。
もし採用予定者に自己破産歴があれば、内定取り消し・不採用になる可能性が高いです。
自己破産をすると、官報に掲載され公開されるので、チェックすることが可能です。
もし自己破産歴があるのなら、バックグラウンドチェックでばれてしまう可能性が高いということになりますね。
最近はインターネット版の「官報」もありますので、隠し通すのは難しいと言えるでしょう。
借金をしていることはばれるのか?
それでは、単純に今現在に借金をしていることはばれてしまうのでしょうか。
借金履歴は、金融機関に転職するときはばれてしまう可能性が高いです。
「銀行」「信販会社」「消費者金融」などの金融機関は、それぞれ信用情報機関を利用しています。
この信用情報機関のデータベースを調べると、簡単に借金履歴、いわゆる現在の借入額や過去の借入額が判明するのです。
借金すべてがダメなわけではない
もちろん借金をしているからといって、必ず内定取り消しや不採用になるわけではありません。
通常の住宅ローンや、買い物をしたクレジットカードのローン程度なら、問題がない場合がほとんどです。
但し、消費者金融やカードローンで借金を繰り返している場合などは、アウトになることもあります。
また債務整理をした過去がある場合も、採用は厳しくなるでしょう。
社会通念上許容される範囲を超えた借金歴がある場合は、内定取り消しや不採用も覚悟する必要があるのですね。
金融機関以外は借金履歴は調べないことが多い
自己破産歴以外の、単なる借金履歴は金融機関以外ではあまりチェックされません。
金融機関なら、信用情報機関のデータベースを利用して簡単に借金歴が調査できます。
金融機関はお金を扱う仕事なので、特に過去にお金のトラブルがないかどうかを重視するのですね。
一方の金融機関以外の企業では、借金履歴まで調査することはあまりないです。(警備会社はされることが多いですが)
一般の外資系企業のバックグラウンドチェックの場合、借金歴があることを過度に恐れる必要はないのかもしれませんね。
その他のチェック項目
犯罪歴・経歴詐称・自己破産歴以外にも、過去の懲戒処分などをチェックされることもあります。
例えば、前職で何らかの懲戒処分を受けていないかなどは、よく調査される項目です。
具体的には、
パワハラで処分
セクハラで処分
横領で処分
などがありますね。
また上司や同僚と喧嘩をして前職を辞めた場合なども、チェックされることがあります。
これらは、前職の上司や同僚など会社の人間などに、聞き取り調査をして把握するのですね。
バックグラウンドチェックは違法ではないの?
そもそもバックグランドチェックをすることは、個人情報保護法に違反しているのではないかという疑問をお持ちになる方もいるでしょう。
確かに、いろいろな個人情報を勝手に調査されることは、法律違反のような気がします。
通常の調査なら違法にはならない
最近は企業自身が調査をするのではなく、バックグラウンドチェック会社に調査を依頼するケースが多いです。
これらの調査会社では、違法にならないようにバックグラウンドチェックを実施しています。
例えば、採用予定者の犯罪歴を調べるために、周辺の人物に聞き取り調査をすること自体は違法にはなりません。
同意を得て調査をすることが多い
また違法性をなくすために、最近は採用予定者にバックグラウンドチェックをすることの了承を取るケースがほとんどです。
「バックグラウンドチェックをしますがよろしいですか?」
と同意を求められるのです。
こう同意を求められると、断ることはできないですよね。
断るということは、「何かを隠している」、「秘密にしている」ということになりますからね。
同意の上でのバックグラウンドチェックは、もちろん違法になりえません。
このように、バックグラウンドチェックをすることは、違法にならないと言えるのですね。
バックグラウンドチェックとリファレンスチェックの違い
外資企業などが採用予定者を調査する場合、バックグラウンドチェックだけでなく
「雇用調査」
「採用調査」
「前職調査」
「身上調査」
「リファレンスチェック」
など、いろいろな調査をされます。
これらは採用予定者を調査するという点ではほとんど同じことなのですが、リファレンスチェックはちょっと違いがあります。
リファレンスチェックは、採用予定者が指定した人物に照会をして、その人物のことを調査することが多いです。
例えば、前職の上司や同僚など指定の人物に、経歴や仕事ぶり人柄などの聞き取り調査を行うのですね。
一方のバックグラウンドチェックでは、あまり人物を指定するということはありません。
犯罪歴などを調べなければならないので、様々な方法で調査が必要です。
リファレンスチェックの対策方法
リファレンスチェックをされる場合、対策をすることも可能になります。
もしリファレンスチェックを要求されたら、自分のことを評価してくれている人物を指定しましょう。
そうすれば、採用される可能性が高くなりますからね。
バックグラウンドチェックを切り抜ける方法
バックグラウンドチェックを切り抜ける方法はあるのでしょうか。
これは、なかなか難しい問題です。
何かを隠して面接を受けた場合、バックグラウンドチェックで秘密がばれる可能性は高いです。
もし何らかの過去を隠して面接を受けるなら、外資系企業や金融機関・警備会社などの調査が厳しい業界は避けたほうがいいでしょう。
バックグラウンドチェックをしない業界のほうが多い
実際の転職の現場では、バックグラウンドチェックをしない企業・業界のほうが多いです。
バックグラウンドチェックを調査会社に依頼すると、一人につき数万円の費用が発生します。
一般的には費用と手間の面から、このような調査をすることは少ないです。
もし秘密にしておきたい過去があるのなら、バックグラウンドチェックをしない業界への転職を考えましょう。
ただ、経歴詐称などの嘘はあまりおすすめできません。
できるだけ正直に面接で自分について話をして、内定をもらいたいですね。
SNSでのバックグラウンドチェックも注意
最近は、採用予定者のフェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSをチェックする企業が増えてきています。
簡易のバックグラウンドチェックとして、これらSNSを活用しているのですね。
フェイスブック・ツイッター・インスタグラムなどに、実名で自分の個人情報を掲載している方は多いです。
転職の際には、これらのSNSがチェックされることを覚悟しておきましょう。
さすがに犯罪歴などは公開していないのでSNSからばれないでしょうが、自分の日ごろの行動や人柄、交友関係などが知られてしまいます。
採用担当者に、マイナスイメージを持たれるようなSNSは公開しないように、注意する必要がありますね。