「月100時間以上残業しても、8時間分のみなし残業代しかもらえない・・・」

ブラック企業にとって、みなし残業代制度(固定残業代制度)はとても都合のいい制度になっています。

みなし残業代しか手当を支払わずに、超過分はサービス残業として実質ただ働きさせることができてしまうのですね。(もちろんサービス残業は違法です)

45歳の男性Sさんは、みなし残業代制度がある児童養護施設で働いていました。

そこは月100時間以上の残業がある過酷な職場なのに、8時間分のみなし残業代以外は手当てがもらえないという劣悪なブラック企業だったのです。

Sさんの勤務当時の心理状態、辞めた後の心の変化が詳細に語られています。

みなし残業代制度のあるブラック企業で働いている方は、ご参考にしてください。

ブラックな児童養護施設を辞めたいと思った理由

  • 児童養護施設にすぐに就職が決まる
  • 軽く月100時間を超える残業
  • まっすぐに歩けないほどふらふらの日々
  • 退職しなければ腐った社会人になっていた
  • ブラック企業で働いて学んだこと

児童養護施設にすぐに就職が決まる

45歳の男性、Sと申します。

4年ほど前に働いていた勤務先が、いわゆるブラックな職場でした。

働いていた職場は、児童養護施設です。

仕事内容としましては、児童相談所の決定で施設に送致が決まってしまった子供たちの親代わりをするという形になります。

児童相談所に就職をしたきっかけは、偶然にネットで求人を見たことでした。

その求人に応募したところ、すぐに採用されました。

面接時は、当然福利厚生などのいい面の話しかされませんでした。

実際に働き始めて最初の2週間ほどは、「環境になれる」という事でさほど無理も感じませんでした。

しかし徐々に宿直も入っていき、シフト的にも宿直で30時間拘束、夕方勤務が終了し次の日は朝8時から休みを挟まず、という具合に変化していきました。

正規の労働時間よりもかなり残業しているはずなのに、残業代は月8時間までの「みなし残業代」がつくのみという最悪な状況でした。

軽く月100時間を超える残業

私の残業時間は、サービス残業というレベルではありませんでした。

月の残業時間は軽く100時間を超えていました。

夜勤明けで翌日の通常勤務など、こなせていけるのかなと心配になり、周囲のスタッフにも相談しました。

勤務時間が過酷すぎて、いかに手を抜くかを考えないとやっていけない、滅茶苦茶な勤務状況でした。

「夜勤なのに夜10時ごろにいったん家に帰り、睡眠をとった後にまた朝5時に来る」という、ばれないように体を休めるしかありませんでした。

これは私だけではありません。

私以外の職員も、過酷な勤務状況で疲れ果てていました。

ですので、ほぼ全スタッフと言っても過言ではないぐらい、勤務先から徒歩圏内に住んでたありさまです。

まっすぐに歩けないほどふらふらの日々

当時はとにかく「子供達の事を考えなくては」という精神状況でしたので、子供達以外のことは何にも考えられていなかったと思います。

疲労困憊で、話かけられても何を話しかけられたのか覚えていない、とにかくその時間の職務を全うする事だけで精一杯になっていました。

まっすぐに歩けないほどふらふらの日々が数週間続き、外出することも危険と感じたので、退職を決意しました。

振り返ってみると、人間は脳が寝てしまっていても身体は動くんだと感じています。

寝ながら歩いていた状態でしたから。

意外といっては何ですが、退職は非常にすんなりできました。

特に執拗に引き止められるということもありませんでした。

こんなブラックな環境なので、職員の出入りが激しいのでしょう。

あっさり即日に退職できてしまい、ちょっと拍子抜けしたのを覚えています。

施設側からすると、職員が辞めることは珍しくないのでしょうね。

だから頻繁に求人が出ているのでしょう。

私がすぐに採用されたのも、辞める職員が多かったということなのでしょうね。

退職しなければ腐った社会人になっていた

施設を辞めてまともに考えられるようになり振り返ってみると、自分がとった行動は正しかったと思います。

当時は私も疲労から周囲の職員と同じように、

「会議だけ元気に出席してあとはどっかで休んでればいいんだ」
「それが賢明なのかな」
「こんな滅茶苦茶な業界もあるんだな」

と考えたりしていました。

これは今思い返してみると、かなり追い込まれた精神状態だったと思われます。

私が退職した直後に集団で退職者が出て、その中の数人が労働基準監督署に出向いたそうです。

事業所自体の滅茶苦茶な部分が明るみに出ました。

仕事に対する使命感、責任感をはき違えていたにも程があり、退職しなければ腐った社会人になっていたのは間違いないと思います。

次の勤務先を見つけるのは、難しくありませんでした。

2週間ほどゆっくりし転職活動し、すんなり次の勤務先に転職できました。

こんなにすんなりと転職できるのなら、もっと早く転職しておけばよかったと感じました。

ブラック企業で働いて学んだこと

ブラック企業で働いて学んだことがあります。

それはまず、何のために働いているのか根本的な事から考えたほうがいいということです。

体調を崩しても数日間でしたら、周囲も心配してくださるでしょう。

ただ長期になると、はっきり言って「面倒くさい奴」、「早く退職するって言えよ」と周囲は確実に思っています。

私が勤務していた時も二人休職者がいました。

上司に事情を聴いても腫れ物に触るように、「迷惑な奴なんだ」という返答でした。

当然の事なのですが、

「会社の為に、社会の為に身を粉にして働く」

こんな言葉は、大学生の新卒の就職活動の建前論です。

本気でそんなこと考えて仕事しているのは、ちょっと社会常識から外れています。

もっと悪く言ってしまいえば、利用しやすい、利用されやすい愚か者にほかなりません。

愚か者は、いつかボロボロにされて捨てられて終わりです。

明らかにおかしいという時は、毅然とした態度で臨むべきです。

会社は自分を守ってはくれません。

最終的に自分を守れるのは、自分だけです。

もし自分の会社がブラック企業ならば、自分で自分を守ってあげてください。

管理人の一言

みなし残業代制度があると、最初に決められた残業手当以外はもらうことができないと思っている方は多いです。

しかし決められたみなし残業時間を超えた残業代は、当然もらうことができます。

Sさんのケースだと、月100時間残業していたら、みなし残業時間8時間を引いた92時間分の残業代をもらう権利があるということです。

ブラック企業は、決められたみなし残業時間を超えても、超過分の残業代を支払わないことが多いです。

いわゆるサービス残業として、ただ働きさせているのですね。

サービス残業をさせる会社は、ブラック企業と考えていいです。

サービス残業で社員から搾取するようなブラック企業は、早く抜け出したほうがいいです。

Sさんの言うように、疲労とストレスから心が病んできてしまう危険性がありますからね。

本当に病気になる前に、ブラック企業を抜け出してください。

まずは自分の体を一番に考えることが必要です。

完全に心が病んでしまうと、何もする気がおきなくなってしまいます。

まだ考える力が残っているうちに、まずは行動を起こしましょう。

今はスマホで簡単に転職活動ができます。

いろいろな求人情報を見て、自分に合った会社を見つけてくださいね。

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