アメリカでは夜勤専従看護師は普通のことですが、日本では夜勤のみという出勤体系はそれほど多くありません。
日本で夜勤専従の看護師として働く場合、常勤の正社員よりも非常勤のバイトのほうが求人募集も多いですね。
実はこの夜勤専従看護師には、多くのメリットがあります。
夜勤専従看護師のメリットとデメリットについてみていきましょう。
夜勤専従看護師のメリットとデメリット
- 夜勤専従看護師のメリット
- 夜勤専従看護師のデメリット
給料が高い
出勤数が少なくて済む
人間関係が楽になる
生活リズムが安定する
求人の数があまり多くない
一定以上のスキルが必要
年齢を重ねると夜勤が辛くなる
夜勤専従で働く場合、72時間ルールに縛られることなく働くことができます。
日勤で看護師として働きながら、夜勤専従のバイトでお金を貯めようと考えている方もたくさんいます。
夜勤専従看護師の最大のメリットは、出勤数が少ないのに高収入が期待できるという頃ですよね。
最近は、託児所付きの医療機関も増えてきているので、シングルマザーの方にも人気のシフトとなっています。
夜勤専従看護師のメリット
それではまずは夜勤専従看護師の、メリットから見ていきましょう。
給料が高い
夜勤専従看護師は、給料が高いことが特徴の一つです。
夜勤での仕事なので、非常勤のバイトで「日給3万円前後」は期待できます。
給料の高い職場だと、3万5千円以上のところもありますね。
常勤の正社員だと、ボーナスもあるので年収500万円以上も十分に期待できるでしょう。
月の出勤回数が9回~11回で、年収が500万円を超えるというのは効率がいいです。
条件のいい医療機関では、年収600万円以上で求人募集しているところも実際にあります。
若い20代から30代の頃は体力もあるので、この夜勤専従でとにかく貯金をためるという看護師の方も多いです。
日勤で働きながら、夜勤専従のバイトを月に何回かしている看護師の方もよくいます。
常勤正社員と非常勤バイトどちらで働くにせよ、やはり高い給料は魅力的ですね。
出勤数が少なくて済む
労働基準法により夜勤専従看護師として働くことが出来る時間は、1つの病院で1ヶ月で144時間と決められています。
144時間ルールと呼ばれているものですね。
夜勤専従の場合は、2交代制の14時間~16時間勤務が多いので、月に出勤する回数は9回~11回となることが通常です。
11回というのはあまりなく、9回~10回が多いでしょうか。
月に10回程度の出勤で、高収入が期待できるというのはありがたいですよね。
若いうちなら体力があるので、夜勤明けでも昼間に遊びに出かけることもできますし、自由な時間がかなり増えます。
夜勤専従で働きだしてから、プライベートが充実したという方はとても多いです。
うまく夜勤専従バイトのシフトを組んで、子育てを頑張っているシングルマザーの方もいます。
出勤回数が少ない夜勤専従は、自分の環境に沿った生活を充実させることのできる働き方と言えるでしょう。
人間関係が楽になる
看護師で働いていて大きな悩みの種になるのが、職場の人間関係です。
- 「口うるさいお局様」
- 「派閥を作りたがる先輩」
- 「陰口がひどい同僚」
日勤だと人数が多いので、どうしても人間関係も複雑になりがちです。
その点、夜勤専従は人間関係について悩むことがとても少なくなります。
夜勤の仕事は、日勤に比べて人数が減りますよね。
医療機関によっては、一人や二人といった少ない人数で業務をこなすことも珍しくありません。
「煩わしい人間関係から解放された」と感じる夜勤専従の看護師の方は多いです。
日ごろ職場の人間関係に悩まされている方は、夜勤専従として働いてみてはいかがでしょうか
生活リズムが安定する
夜勤専従で働く場合、体に負担がないのかと心配する方も多いです。
これは逆に、よく眠れるようになったと感じる方も多いようです。
夜勤専従は夜勤のみのシフトなので、生活リズムが安定してくるのですね。
日勤と夜勤を交互に繰り返していると、どうしても睡眠の質が悪くなってしまいます。
眠れたような眠れていないような、何とも言えない状態になることも多いです。
もちろん個人差があるのですが、夜勤の仕事があまり辛いと感じない方にとって夜勤専従は、おすすめの働き方と言えるでしょう。
逆に夜勤があまり好きではない方には、ちょっと辛いかもしれません。
このあたりは、自分の体調やリズムをよく考えてみてくださいね。
夜勤専従看護師のデメリット
反対に、夜勤専従看護師で働くデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
求人の数があまり多くない
まず第一に、夜勤専従看護師の求人募集はあまり多くありません。
夜勤のみで働きたいと思っても、働く場所自体が少ないのですね。
アメリカでは日勤と夜勤が完全に分離していることがほとんどなのですが、日本では夜勤専従はまだまだ珍しい働き方です。
特に常勤の正社員の募集は少ないのが現状です。
東京・大阪・神奈川・名古屋・福岡といった大都市では、医療機関の数も多いので夜勤専従の求人募集もよく見かけます。
しかし地方都市在住で地元で働きたい場合、すぐに夜勤専従の仕事を見つけることは難しいのかもしれません。
まずは看護師の転職サイトに登録をしておき、じっくりと夜勤専従の仕事を探すというのも一つの方法になりますね。
一定以上のスキルが必要
夜勤専従の仕事は、看護師が一人や二人などの少人数で働かなければならないことも多いです。
「病棟勤務」の場合、患者の体位変換やトイレのサポートから、点滴の管理、採血、検温、緊急時の対応などいろいろな仕事をこなさなければいけません。
もし緊急事態が起こったときは、慌てずに対処する冷静さも必要となるでしょう。
ある程度の経験を積んでスキルがないと、夜勤専従の看護師で働くことは難しいのかもしれません。
まずは日勤と夜勤で経験を積み、一人でも夜勤で働ける自信がついたら、夜勤専従で働くことを考えましょう。
年齢を重ねると夜勤が辛くなる
若いうちは体力があるので、夜勤の仕事も特に問題なく続けていくことができます。
しかし30代の後半~40代になってくると、だんだんと体力も落ちてきてしまい、夜勤の仕事が辛くなってしまうことが多いです。
体力が続かずに、生理が遅れたり、肌がボロボロになったりと、年齢による夜勤仕事の限界が来ることがあります。
夜勤専従で働くなら、20代後半から30代前半がおすすめです。
この年代なら、まだまだ体力的にも夜勤仕事を問題なくできますからね。
若いうちにしっかりと夜勤専従でお金をためておくと、将来がかなり楽になりますよ。
夜勤専従看護師として働く時のポイント
次に夜勤専従看護師として働く時、どのようなポイントを注意すればいいのかを見ていきましょう。
給料の額はもちろんですが、お金だけでなくその他のポイントもきちんと確認しく必要があります。
- 常勤か非常勤か
- 出勤回数はどれくらいか
- 休憩時間はきちんとあるのか
- サポート体制は整っているか
- 勤務先は医療機関か介護施設か
常勤か非常勤か
常勤の正社員か、それとも非常勤のアルバイトかは、まず第一にチェックしておかなければなりません。
常勤の正社員だと、ボーナスや保険、福利厚生、有給休暇などもそろっているはずです。
しかし非常勤のアルバイトだと、あまり福利厚生などは期待できませんよね。
ただ非常勤のアルバイトでも、出勤回数が基準を満たすときは、社会保険に加入することも可能になります。
単発バイトの夜勤専従看護師では無理でしょうが、同じ病院で非常勤の夜勤専従看護師として働くときは、社会保険についてもきちんと確認しておきましょう。
雇用保険の加入条件
雇用保険は、以下の2つの条件を満たすと加入対象となります。
「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」
「31日以上引き続き雇用される見込みがあること」
厚生年金、健康保険の加入条件
「契約期間が2ヶ月を超えること、または2ヶ月を超える見込みであること」
「1週間の労働時間、および1ヶ月の労働日数が正社員のおおむね4分3以上であること」
これらの基準を満たせば、非常勤の夜勤専従看護師でも社会保険に加入できますので、確認してくださいね。
出勤回数はどれくらいか
出勤回数と、一回の出勤時間もきちんとチェックする必要があります。
夜勤専従看護師の場合、1回16時間勤務が多いです。
多くは月に9回~10回の出勤回数となるはずです。
1日の勤務時間と、出勤回数をしっかりと確認しておきましょう。
休憩時間はきちんとあるのか
労働基準法では、「労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけない」と規定されています。
16時間勤務の夜勤専従の場合でも、最低1時間の休憩時間があれば法律上はOKということになるのですね。
夜勤専従の仕事で、仮眠の時間が設定されているかどうかは、その勤務先次第です。
もし16時間中に「仮眠がないと辛い、無理だ」と感じるのなら、きちんと仮眠の時間を設定している勤務先を選びましょう。
サポート体制は整っているか
夜勤専従で働く場合、サポート体制が整っているかも確認しておきましょう。
はじめての夜勤専従なのに、いきなり一人ですべてのことをしなければならないというのは、かなりきついものがあります。
きちんとしたマニュアルや、先輩ナースの指導などがあるかどうかを確認しておきましょう。
勤務先は医療機関か介護施設か
勤務先についてもきちんと確認しておく必要があります。
病院など医療機関だけでなく、最近は老人ホームなど介護施設が、夜勤専従看護師を求人募集していることが多いです。
24時間サポートの老人ホームや介護付きマンションなどが増えていますよね。
それらの施設で勤務する、夜勤専従看護師の需要が高くなっているのです。
一人で夜勤専従看護師として働く場合、患者の体位変換やトイレのサポートから、点滴の管理、採血、検温、緊急時の対応など、しなければならない仕事はたくさんあります。
また勤務先によって、仕事の内容も変わってくるでしょう。
勤務先とその仕事内容については、きちんと確認しておく必要がありますね。