「懲戒解雇されたら、転職が不利になるの?」
何らかの事情で、会社を懲戒解雇されてしまうと、転職先を探さなくてはいけません。
このように、会社を懲戒解雇でクビになってしまったとき、転職先で懲戒解雇にされた事実がばれてしまうのでしょうか。
また、懲戒解雇での退職をばれないで秘密にするにはどうすればいいのでしょうか。
懲戒解雇での退職は転職先でばれるのか?
- 転職先で懲戒解雇がばれる可能性は低い
しかし、ばれることもあるので注意が必要!
転職先で懲戒解雇がばれる可能性は低い
もし懲戒解雇であることを隠して転職をしたとしても、そのことが転職先でばれる可能性は低いです。
なぜばれる可能性が低いかというと、そもそも転職先の会社が懲戒解雇されたことを知る機会は、とても少ないからです。
しかし少ないといっても、その可能性はゼロではありません。
ではどのような理由・機会から、転職先の会社は懲戒解雇されたことを知るのでしょうか。
採用する会社側の視点から見ていきましょう。
- 離職票からばれる
- 退職証明書からばれる
- 本当のことを言うとばれる
- リファレンスチェックでばれる
離職票からばれる
会社を退職してハローワークで転職活動をするとき、ハローワークに「離職票」を提出する必要があります。
この離職票には、懲戒解雇されたことが記載されてしまっています。
離職票に「重責解雇」と記載されていたら、それは懲戒解雇されたことを表しているのですね。
もし転職先の会社にこの離職票を見られたら、懲戒解雇で退職したことがばれてしまいます。
このように離職票から、懲戒解雇されたことがばれる可能性があるのです。
転職先は離職票を見ることはない
しかしご安心ください。
通常、転職先の会社は離職票を見ることはありません。
離職票は、あくまでハローワークに提出するもので、転職先の会社が閲覧するものではないのですね。
転職先の会社に離職票の提出を求められる可能性もゼロではありませんが、一般的に離職票の記載から懲戒解雇がばれることはほとんどないです。
退職証明書からばれる
退職証明書から、懲戒解雇で退職したことがばれることがあります。
転職をするときに退職証明書は、絶対に必要な書類ではありません。
上記の離職票はハローワークに提出が必要な公的な書類ですが、退職証明書は公的な書類というわけではないのですね。
ただ稀に、転職先の企業から退職証明書の提出を求められることがあります。
退職証明書には、「使用期間」「業務の種類」「その事業における地位」「賃金」「退職の事由」の5つが記載されています。
ですのでこれを会社に提出をすると、「退職の事由」から懲戒解雇されたことがばれてしまいます。
しかしながら、転職したときに退職証明書を求められるときは非常に稀です。
ほとんどのケースでは、求められません。
求められる可能性は低いですが、提出したらばれてしまうということになるのですね
本当のことを言うとばれる
転職するときは、履歴書に前職の退職理由を記載することが通常です。
また面接で、退職理由を聞かれることもほとんどでしょう。
その時に、退職理由を素直に「懲戒解雇されたからです」と答えると、もちろん懲戒解雇で退職したことがばれてしまいます。
一身上の都合で退職はダメ?
履歴書の職歴欄に、「退職(一身上の都合)」と書くことはよくあります。
しかし懲戒解雇で退職したときは、「一身上の都合」と書くことは虚偽記載に該当する恐れがあります。
一身上の都合ではなく、懲戒解雇が本当の理由ですからね。
もちろん「退職(懲戒解雇)」と書くのは避けたいです。
そんな時は、「退職」とだけ記載しときましょう。
これなら嘘ではないですし、虚偽記載にもあたりません。
嘘をつくと後々に経歴詐称で新たな懲戒処分の対象になる可能性が高いので、まずは嘘をつかずに乗り切ることを考えましょう。
退職理由はどうすればいい?
これは非常に難しい問題です。
懲戒解雇を隠してその他の退職理由を話せば、それは嘘の退職理由ということになってしまいます。
一方、素直に「懲戒解雇されたから」と話してしまうと、不採用になることがほとんどでしょう。
ここで嘘をついて転職をするのかどうかは、正直本人の気持ち一つです。
もし嘘をつかずに懲戒解雇されたことを話すなら、
「懲戒解雇されましたが、私自身はその理由に納得しておりません。無効を裁判で訴えようとも考えましたが、時間と費用を無駄に消費してしまうので、心機一転して転職をしようと考えました。」
など、懲戒解雇自体が不当なものだとアピールするしかないのかもしれません。
しかしながら、これでもなかなか苦しいところですよね。
正直に話すかどうかは難しいところですが、本人が決断するしかないでしょう。
リファレンスチェックでばれる
リファレンスチェックは、バックグラウンドチェックなどとも呼ばれますが、簡単に言えば前職照会の一つです。
転職先の会社が、前職の会社関係者に経歴を照会するのですね。
今は個人情報の問題もあり、秘密裏に前職照会をすることはあまりありません。
しかし、応募者に前職の上司や同僚などを指定してもらい、同意のうえでその人たちから聞き取り調査をするということがあります。
このリファレンスチェックなどの前職照会をされてしまうと、懲戒解雇されたことはばれてしまいますよね。
外資企業や金融機関では、リファレンスチェックを行う企業がいまだに多いです。
信用が大事な企業では、従業員の経歴をきちんと調べる傾向が強いのですね。
このように、リファレンスチェックなど前職照会をされてしまうと、懲戒解雇での退職がばれてしまうことがほとんどです。
嘘をついてもばれないことがほとんど
結局のところ、転職をするときに懲戒解雇での退職を隠して応募・面接をしても、ばれないことがほとんどです。
リファレンスチェックなど前職照会も、外資企業や金融機関など一部の会社だけです。
しかし、ばれないからといって嘘をついて転職をすると、後々ばれた時に経歴詐称で懲戒処分をされてしまう危険性があります。
懲戒解雇で退職した後に転職を成功させている人の多くは、懲戒解雇を隠して転職していることも事実です。
もちろん懲戒解雇されたことをすべて正直に話したうえで、転職することが理想ですよね。
この辺りは、本人の決断一つになります。
前々職が懲戒解雇なら問題がなくなることも
何とかして一度転職をしておくと、懲戒解雇は前々職でのことになりますよね。
例えば、まずは人手不足の会社に正直に懲戒解雇の話をして、入社するという方法があります。
人手不足の会社なら、懲戒解雇された人でも採用してくれる可能性は高いです。
または知り合いの会社などで、しばらく働かせてもらうという方法もありますね。
そしてその会社で1年ほど頑張ったのちに、また転職するのです。
この方法だと、懲戒解雇の問題がなくなることが多いです。
なぜならこうすれば、懲戒解雇されたのは前々職ということになるので、面接で懲戒解雇に関する退職理由を話さなくてもよくなるからです。
嘘をつかなくてもよくなるということですね。
面接で前々職の退職理由を聞かれることは稀です。
履歴書の職歴も「退職」とだけ書いておけば問題ありません。
このように、懲戒解雇された次の転職は、どんな仕事でもしてみるということも一つの方法になるのですね。
まずは一度仕事を選ばずに転職をして、懲戒解雇を前々職にしてみてはいかがでしょうか。